
モラルハラスメント(モラハラ)とは?
モラルハラスメントという言葉は、一般的に「言葉や態度による精神的な攻撃」を指し、肉体的な暴力とは区別して使われることが多くあります。
夫婦間における悪口や激しい夫婦喧嘩も、広い意味ではモラハラに含まれるかもしれません。
しかし、あゐ法律事務所では、「配偶者からの心ない言動により、これ以上一緒に暮らすのは無理だ、離婚したいと考えるほど深く苦しんでいる状態」をモラハラと捉えています。
単なる喧嘩の延長ではなく、一方の尊厳が深く傷つけられている状態こそが、解決すべき大きな問題です。
モラハラ離婚が難航しやすい理由
もしモラハラを受けて離婚を望んだとき、相手もすんなり離婚に同意してくれれば話はスムーズです。
しかし、モラハラ加害者がすんなり応じるケースは少なく、ここで大きな対立が生まれます。
離婚に消極的な相手には、大きく分けて2つのタイプが存在します。
1つ目は、「絶対に離婚には応じない。夫婦関係を修復してうまくやっていきたい」と頑なに拒否するタイプです。
この態度をとられると、話し合いが一歩も前に進まなくなってしまいます。
2つ目は、口では「離婚してやる」と言いながらも、「親権は渡さない」「養育費は払わない」「財産分与をするつもりはない」など、こちらが到底受け入れられない不当な条件を突きつけてくるタイプです。
一見すると離婚に応じているように見えますが、不可能な条件を出すことで、実質的に「離婚しなくても構わない」と引き延ばしを図っているのです。
弊所にお越しになるご相談者の方も、「相手が素直に離婚に応じるはずがない」と最初から予想されている方が大半です。
また、すでに喧嘩の拍子に「離婚だ!」と相手が叫んでいるケースもありますが、それは感情的にキレているだけで、現実的な離婚手続きを進めようとはしてくれないことがほとんどです。
モラハラ加害者に見られる3つの特徴
モラハラをする人には、共通するいくつかの特徴があります。これらを知ることで、相手の行動パターンを冷静に分析できるようになります。
1. 予測できないタイミングで、急にキレたり不機嫌になったりする
「なぜ今、何に対して怒っているのか分からない」という理不尽さこそが、被害を受けている方が日々肌で感じているストレスです。
不機嫌になるきっかけ自体は一応あるのですが、それが「普通の人なら怒らないような些細なこと」であるため、次にいつ爆発するかが予測できません。
被害者側は「怒らせるような悪いことはしていない」のに責め立てられるため、常に張り詰めた緊張感の中で過ごすことになり、精神的な疲弊が大きくなります。
2. 相手を苦しめているという自覚がまったくない
悪いことをしていない相手をひどく傷つけておきながら、加害者側には「相手を苦しめている」という自覚がほとんどありません。
自分の行為が正しいと信じ込んでいるため、自ら反省して言動を改善する余地がほぼないという点が、モラハラ問題を深刻化させる一番の原因です。
3. 何でも他人のせいにして自分を省みない
モラハラをする人は、驚くほど何でも他人のせいにします。
勇気を出して「あのときの〇〇に傷ついた」と伝えても、「お前がそんな態度をとるからだ」「お前だってこういうことを言った」とすぐに話をすり替え、問題をこちらに転嫁してきます。
自分の言動を振り返り、反省することはまずありません。
なぜモラハラは周囲から理解されにくいのか
モラハラをする人は、家庭内で特に妻に対して、攻撃的な態度をとります。
一歩外に出れば「優しくて愛想の良い人」「仕事ができる人」という外面(そとづら)を保っていることが多いため、周囲に相談しても信じてもらえないことがあります。
また、周囲から見ると、ただの「夫婦喧嘩で行き過ぎた悪口を言い合っているだけ」との区別がつきにくく、「あなたにも悪いところがあるのでは?」などと誤解されてしまうことも少なくありません。
この「誰にも分かってもらえない」という孤立感が、被害者の方の苦しみをさらに深くしています。
モラハラ問題の根本的な解決策
配偶者からモラハラを受けたとき、最初は多くの方が「話し合えばきっと分かってくれる」「お互いに悪いところを直して、また仲の良い夫婦に戻れるはず」と信じて努力されます。
しかし、多くのモラハラ事例を解決してきた当事務所の経験からお伝えすると、モラハラをする人が自ら反省し、モラハラ気質が治るということは「ない」と言わざるを得ません。
家庭内で少し距離を置き、怒らせないように生活することで、一時的に被害を減らすことはできるかもしれませんが、それはビクビクしながら生きるということであり、根本的な解決にはなっていません。
モラハラ被害から完全に抜け出し、自分らしい人生を取り戻すための確実な選択肢は「離婚」です。
モラハラ配偶者と安全に離婚を進めるために
「相手が怖くて離婚を切り出せない」「絶対に激しく抵抗されるから無理だ」と不安になり、離婚をあきらめかけている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、あなたが「離婚する」という強い決意さえ固めれば、離婚は必ずできます。
離婚を成立させるプロセスでは、相手との話し合い(離婚協議)だけでなく、調停、裁判といった手続きが必要になるかもしれません。
モラハラ被害に遭われた方にとって、相手と直接話をすることや、顔を合わせることは、恐怖以外の何物でもなく、強いストレスがかかるものです。
ですが、その一番つらい部分は、弁護士に依頼することで回避することができます。
弁護士があなたの代理人となることで、相手との連絡や交渉は弁護士が窓口となります。
あなたは相手と直接話す必要も、連絡に怯える必要もなくなります。
村宮弁護士からのメッセージ
モラハラ問題には独特の難しさがあり、弁護士のなかには「ただの夫婦喧嘩の延長だろう」と軽く捉えてしまう人も残念ながらいるようです。
しかし、あゐ法律事務所は、モラハラを単なる夫婦喧嘩とは本質的に異なるものと考えています。
モラハラは被害者の方の精神をじわじわとむしばむ、重大な社会的問題です。
「モラハラで離婚を考えるほど苦しんでいる」「これ以上、あの人の言動に耐えられない」という方は、どうか一人で抱え込まずに、ぜひ一度当事務所にお話を聞かせてください。