解決事例
2026/06/05

会社経営者のモラハラ夫と別居後あっさり離婚できた事例【50代女性】

この事例の依頼者【50代 女性】

ご相談のきっかけ

子どもが大学を卒業して就職したことを機に、これまでの夫婦生活を振り返り、「これからは自分のために生きたい」と離婚を決意され、当事務所へご相談に来られました。

相談時の状況

夫は建設業を営んでおり、年商は億単位にのぼるものの、職人への外注費や資材の仕入れ負担が大きく、資金繰りは毎月ギリギリの状態でした。さらに、事業継続のための多額の借入金(負債)も抱えており、実質的な経営状態は火の車でした。

夫は資金管理や支払実務のすべてを、役員兼経理担当である妻に丸投げ。妻は毎月の支払日を迎えるたびに「今月は乗り切れるだろうか」と、強烈なプレッシャーに耐え続ける日々を送っていました。

さらに夫は、妻に対して日常的に高圧的な態度や暴言を繰り返すモラハラ気質の人物でした。妻は長年の精神的苦痛から不眠や体調不良に悩まされ、心療内科に通うほど追い詰められていました。

「子どもが学生のうちは」と必死に耐えてきましたが、子どもが大学を卒業して就職。それを機に、妻は「これ以上、夫のために心身を削って生きるのはバカらしい」と、離婚の決意を固めて当事務所へ相談に来られました。

相談者 年齢 職業 夫年齢 夫職業
女性 50代 会社役員 50代

会社経営

 

同居・別居

原因

未成年の子

同居

モラルハラスメント・精神的虐待・暴言・威圧的言動

なし

解決への流れ

妻は「夫は絶対に離婚に応じない」「夫に離婚を切り出せば、逆上して何をされるかわからない」と非常に強い恐怖心を抱いていました。そのため、夫には一切計画を知らせずに秘密裏に別居を敢行し、その直後からすべての交渉を弁護士が引き受ける方針を立てました。

また、事前に夫および会社の財産関係を調査し、夫の事業は負債が大きく、仮に長期間かけて財産分与を争ったとしても、実質的に妻側が取得できる財産はほぼない見込みであることが判明しました。

妻自身の最大の希望も「お金の条件にはこだわらないから、とにかく一刻も早く夫と離婚したい」という点にありました。そこで、財産分与や慰謝料の請求に時間をかけるのをやめ、早期離婚を目標に据えました。

争点 手続

■離婚

離婚調停および婚姻費用分担調停を準備したが、協議離婚成立

妻の言葉で理由を綴った「置手紙」の準備

何も言わずに家を出ると、夫から不貞行為を疑われたり、家族を巻き込んで騒がれたりするリスクがあります。

そこで、別居時に残す置手紙の文面を入念に準備しました。

妻自身の言葉で、家を出るに至った理由を書き、これ以上の直接対話は拒否して弁護士に一任する旨を書き残しました。

弁護士からの「受任通知」の送付

夫の不在日に別居を完了させ、翌日、夫の手元に弁護士からの受任通知が届くよう手配しました。

夫は完全に青天の霹靂だったようで動揺し、当初は弁護士に対し「威圧的な態度など取っていない」「ずっと仲良くやれていた」「妻の一時的な情緒不安定(更年期)のせいではないか」と現実を受け入れられず、離婚を拒絶していました。

しかし、弁護士から、「妻の離婚の意思は固いこと、今は冷静になれないだろうから、数日間、今後のことをよく考えてみてください」と伝え、直接の接触を完全に遮断して冷却期間を設けました。

解決内容

あっさり離婚が成立
弁護士からの通知によって事の重大さを突きつけられ、さらに直接の連絡手段を絶たれたことで、夫の心境に急激な変化が訪れたようでした。

また、夫は金銭的な要求をされることを気にしていましたが、弁護士から「現時点で、慰謝料等の金銭的要求をする意向はない」ことを伝え、夫の警戒心を解く結果となりました。

別居からわずか3日後、夫から一転して「離婚に応じる」との連絡が入りました。この機を逃さず、即座に離婚届を夫に郵送。夫もすぐに署名・捺印して返送してきました。

結果として、弁護士の受任(別居)から離婚成立まで、1週間を待たずして「あっさり離婚」が成立するという、異例のスピード解決となりました。

 村宮弁護士のコメント

本件のようなモラハラ事案において、これほどのハイスピードで解決できたのは、「財産的な請求をあえて一切しなかったという妻の割り切り」にあります。

実務上、財産分与や婚姻費用の請求は当然の権利ですが、夫が多額の借入(負債)を抱えている会社経営者の場合、財産開示や資産の評価を巡って泥沼の長期戦になることが珍しくありません。また、下手に争うことで相手方が「財産を奪われる」と被害者意識をもち、意地でも離婚を拒否して攻撃的になるリスクも高まります。

今回のケースでは、

・事前の調査で「財産分与請求のメリットがない」と確認したこと

・妻が「お金より、一刻も早い離婚」に目的を絞り込んだこと

・夫側に「離婚に応じた方が金銭的な痛手がない」という逃げ道を与えたこと

から、モラハラ夫を逆上させることなく、文字通り「あっさり」と離婚を承諾させることができました。

 

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